テレワークの普及によって大きな変貌を遂げたのは、何もオフィスや働き方に限った話ではありません。
家庭内、とくに夫婦の在り方にも大きな変化が、夫婦によっては危機が、生じていることでしょう。
「家で一緒に過ごす時間が少なくて寂しい」と以前は感じていたご夫婦でも、実際にその時間が大幅に増えてみると「ストレスまで増えた」そんな話も時折耳にします。
また、セミリタイアやリタイアされたご夫婦のなかにも、すでにそんなことには慣れっこになっているかと思いきや、テレワークでご主人がご在宅となったお宅と同じように不穏な空気に圧しつぶされそう……そんなストレスを密かに抱えている奥様方もいらっしゃることでしょう。
かく言う私は、夫と共に働かない生活を10年続けてきた、いうなればセミリタイア組。
さらには、地方移住を果たし田舎暮らしに根付いてからのこの5年は、まさに〝巣ごもる暮らし〟を夫婦して送っています。
夫婦2人で過ごす時間の長さは誰にも負けません!
ですから、奥様方の不満はよくよく理解しているつもりです。
とはいえ、私たち夫婦の仲はいたって良好です。
では、その秘訣は―――散歩!
この記事では、そんな私たち夫婦の仲良しの秘訣である散歩についてお話します。
この記事を読んだあなたは、夫婦円満のヒントを得ることになるかもしれません。
また、夫婦で散歩に出かけたくなることでしょう。
夫の言い分、妻の言い分ー散歩でコミュニケーションをとろう!
これまでいなかった夫が、家にずっといる……。
それによって自分のペースを乱される、さらには四六時中炊事に振り回されるような生活になった、などのことが原因でストレスが大幅に増した、そんな奥様方がたくさんいらっしゃるようです。
私も巣ごもる暮らしにシフトしてからしばらくの間は、同じようなストレスと戦っていたので、その気持ちはよく分かります。
なんで女性ばかりが料理しないといけないのでしょうか?
夫婦で働いている場合や、我が家のように夫婦で働いていない場合、その鬱憤はさらに重たく妻の心を塞ぐことになるでしょう。
「なんで、女ばっかり!!!」
この件につきましては、『なまけもの共働かず夫婦の時間術は、脱「労働=美徳」と、お互い好きにする!』でもお話ししていますので、この思いに共感された方はこちらの記事も、ぜひ読んでみてくださいね。
ところで、妻側の不満を耳にする機会はものすごく多いのですが、夫側には何も不満がないのでしょうか?
そんなこと、ありえないですよね。
恐らく夫側にも、ストレスはあることでしょう。
家で仕事しているある夫さんの「頼むから、仕事させてくれ!」そんな悲痛な声を、ネット上で目にしたことがありました。
奥様に邪魔する気はなかったのでしょうが、この夫さんには私も同情します。
ですが、ちょっと不思議に思うのですが、不満があるならなぜ何も奥様に言わないのでしょう?
「いや、言えないだろ!?」と憤慨した男性陣の声が聴こえてきそうですが、奥様の立場に立ってみるとですね、こう思う―――「言ってくれればいいのに……」
「言ったところで分かってもらえない。うちの嫁はそういう女なんだ……。」そう、うなだれる男性陣の声も聴こえてきそうですが、言ってみなきゃ分かってもらえるかもらえないか、分からないじゃありませんか?
本当に分からない奥様をお持ちの方は……ご愁傷様です。
ですが、ほとんどの場合は、言えば分かるのではないでしょうか?
意思の疎通が夫婦の間でとれていない―――そのことをまず、解消する必要がありますよね。
お忙しいのも分かりますが、夫婦でお互いが思っていることを伝える、そして聴く時間をもつ、そのことが必要なのではないでしょうか。
奥様ばかりに話させてはいけませんよ。
夫さん方も率先して自分の思いを言葉にし、相手に伝える努力をしてみてください。
男性に比べると女性の方がお喋りになりがちなので、喋る隙を与える心がけを奥様方はもつようにしたいですね。
なんていうと、「うちの旦那はぜんぜん喋ってくれないから、私が喋らなかったら会話なんて一切なくなっちゃいますよ。」そんな奥様方の声が聴こえてきそうですね。
そういうご主人もいらっしゃることでしょう。
また、無言が続くと耐え切れない奥様もいらっしゃる。
そんなご夫婦におすすめなのがですね―――散歩です。
散歩が夫婦円満に役立つ理由
夫婦円満のために、夫婦で散歩に出かけてみることをおすすめします。
理由はですね、以下の通り。
- リフレッシュすることができる
- 同じ体験と感動を分かち合うことができる
- 会話が弾みやすい
- 無言のコミュニケーションが生まれやすい
1つずつ解説していきます。
散歩でそれぞれリフレッシュ!
散歩で体を動かすと、呼吸の量が増えますよね。
肺に溜まった古い二酸化炭素を排出し、屋外の新鮮な空気を取り入れることができます。
すると、気分が良くなりますよね。
家の中で溜まった鬱憤も一緒に排出されるのでしょうか。
散歩は気分転換に最高の方法です。
散歩での体験と感動を、夫婦で分かち合う!
同じ道を2人で歩いていると、同じ風景や同じアクシデントに出会えます。
例えば私たち夫婦は、けっこうな田舎に住んでいますので、散歩していると時折動物たちに出くわすことがあります。
猿に、うさぎに、たぬきに、シカ(幸いにも熊には遭遇していません)、それから猫。
こんな印象深い体験を夫婦で共有すること、これってなんだか、うれしいことだとは思いませんか?
ギスギスしていた夫婦の間を取り持ってくれるかのような、ちょっとした出会いに遭遇するなんてことは、田舎でも都会でも、散歩では日常茶飯事です。
都会であれば、新しいお店を見つけることもあるかもしれません。
都会でも田舎でも、野良猫を見つけ、きれいな花を見つけ、変わった形の雲を見つけ、夕日が沈む景色を見つけ、夜空に輝きを放つ月を見つけ……そんな、夫婦で見惚れるような一瞬に出会えるかもしれません。
「ここにしかない、この瞬間にしか出会えない景色が2人を取り巻いている」そのことを楽しめるのが散歩。
感動や体験を共有することで、夫婦の間にうれしい空気感を生じさせてくれます。
散歩で会話も弾む!
屋外に出て歩くことでリフレッシュし、2人が同じ体験と感動を共有する散歩中には、夫婦の会話も弾みやすいでしょう。
散歩は解放的な気分にしてくれるので、普段あまり喋らないご主人の口数も増えるかもしれませんよ。
散歩で心がほぐされ、無言コミュニケーションと傾聴できる!
こんなふうに夫婦で散歩していると、コミュニケーションは活発になります。
それが言葉にならなかったとしても、です。
「無言が続くと息が詰まる」「夫と一緒にいてもつまんない」そんな不満をもっていた奥様方も、散歩のときだけは違った気分を味わえるかもしれません。
「無言も悪くないな」「夫と一緒にいると心が休まるな」とか。
さらには、言葉はなくとも心が通じている―――このことに改めて気づいたり。
こういう気持ちを夫婦がお互いに抱いているときには、渇いていた心を潤してくれるようなそんな空気感が2人の間を循環しています。
これが、無言のコミュニケーション。
すると、心はほぐされ、相手の話に耳を傾けること、相手が話し始めるのを待つこと、それらを容易くしてもくれます。
言葉を介したコミュニケーションを促してもくれます。
ですが、話す必要がないときには、ただ無言のコミュニケーションを楽しむことができます。
以上が、散歩が夫婦円満のために役立つ理由です。
ただ一緒に歩くだけなのに、こんなうれしい夫婦円満の効果があるんだから、散歩っていいですよね。
次は、私たち夫婦の〝夫婦円満散歩〟の実例をお話ししますね。
40代50代私たち夫婦の円満散歩
散歩と一言で言っても、その内容は住む地域によって大分違ってくるでしょう。
移住する以前、東京に住んでいた頃の私たち夫婦は、夜の住宅街で素敵な家を見つけたり、お店のショーウィンドウを眺めたり、野良猫とじゃれたり、日中には神社などをお参りしたり、街の空気感の違いを感じたり、ときにはウィンドウショッピングをしながらと、そんな個性豊かな散歩を昼夜問わず楽しんでいました。
田舎に移住してからは、とにかく自然、自然、自然!たまに動物!といった田舎ならではの散歩に、昼下がりから夕暮れまでの時間帯、日々繰り出しています。
季節の移り変わりを感じながらも「代わり映えのない風景にちょっと飽きてきたな」なんてときには、車で出かけた先で散歩してくることもあります。
私たち夫婦が散歩し始めた理由
移住以前からよく散歩していた私たちですが、よく考えてみると当時は「よし、散歩しよう!」と出かけるのは稀だったかもしれません。
車に乗らない都会の暮らしでは、家から、駅から、どこへでも歩くのが普通でしたので、どこかへ行くための道のりを歩いていただけだった、という面も大いにあります。
それでも寄り道好きの夫と歩くとどこか散歩感が強めとなり、「いい散歩になったね!」と言い合うゆったりとした時間が過ぎる道のりを、楽しんで歩くことも多かったのです。
都会では歩くことが普通で、とくに散歩するでもなく散歩していたのです。
ところが田舎暮らしとなった今では、「よし、散歩しよう!」と出かける散歩をするようになりました。
なぜ、このように散歩に出かけるようになったか―――それは、歩く機会がなくなってしまったからです。
都会の暮らしとは違い、どこに行くのも車が必要な田舎の暮らしでは、歩くことが極端に減ってしまいます。
そうなると、脚の筋力は年月とともに弱っていくでしょう。
ですから、田舎暮らしには散歩が必須なのです。
散歩は夫婦円満の秘訣ではあるけれど、「よし、散歩しよう!」と出かけ始めたその理由は、40代と50代の中年夫婦の筋力維持のためだったのでした。
もともと夫は歩くことが好きで、私はもともとは歩くことが実はあまり好きではありませんでした。
始めはサボりたがる私を夫が何とか誘い出し、しょうがなく歩いていたような感じでした。
ですが、今では私も夫と同じくらい、散歩に意欲的になりました。
巣ごもる妻と巣ごもる夫をリフレッシュする最適な方法―それが散歩!
筋力低下を感じては不安がっていた私たち夫婦を救ってくれたのが、散歩だったわけですが、私が散歩にこれほど意欲的になった、散歩が好きになった理由は他にもあります。
その理由というのが、先ほどから申し上げてきた〝夫婦円満〟に通じていくのですが……。
人って同じ空間にずっと缶詰めになっていると、どうしたって窮屈に感じてストレスが溜まるものですよね。
それは、いくら自然豊かな田舎の一軒家(2人で暮らすには十分以上のサイズ感)であっても、避けられないことです。
私たち夫婦がどれだけのんべんだらりと暇を持て余した生活をしているか、それをご覧いただくことはできないのですが(恥ずかしいので)、本当によく夫婦2人でダラダラと巣ごもっています。
ですので、私たち夫婦はこのど田舎村のこの田舎家に、缶詰め状態となってるがゆえのストレス、これを上手に解消する必要があるのです。
そうでないと、夫婦が2人一つ屋根の下で仲良く過ごせることなんてできるわけがありません。
鬱憤が溜まった夫は妻に当たる、鬱憤が溜まった妻は夫に……やっぱり当たる。
きっと皆さんも簡単に想像できることでしょう。
夫婦円満とは程遠い、不穏な夫婦の姿を……。
そこで、散歩の登場です!
前章で解説した通り、散歩は夫婦の仲を取り持ってくれる効果が多分にありますが、一番はやっぱりリフレッシュ効果が高いことが散歩の凄さだと、巣ごもる私は実感しています。
散歩から帰ってきた自分の顔が鏡に映っているのを目にして、ビックリすることがあります。
なんか―――キラキラしてる!
血行が良くなって、肌艶が良くなって、気分が晴れて―――夫とは仲がいい!
最高じゃないですか!?
夫もなんだか機嫌が良さそうで、少年のような目をして笑う、その―――笑顔が眩しい!
そこには、散歩に出かける前とは別人の夫と私がいます。
私たち夫婦は散歩をすることでリフレッシュされているからこそ、〝巣ごもる暮らし〟を仲良く続けることができています。
無言の散歩が夫婦のギクシャクを解消した話
今お話ししたことは、夫婦仲良しの巣ごもる暮らしを維持するために散歩がどれほど役立っているかというものでしたが、さらに散歩の威力を実感したのが、そう―――夫婦不仲なとき。
なんとなく夫婦の間がギクシャクしている、不穏なものを感じる、そんなときにもやっぱり散歩の出番です。
不機嫌な夫と同じ屋根の下で過ごす時間は妻にとって、それこそ先ほどの家に缶詰でストレスどころの話ではなく、まさに苦痛。
冒頭で触れたテレワークやセミリタイア、リタイアされたずっとご在宅のご主人のいらっしゃる夫婦間の難しさを痛いほど感じることでしょう。
これ、私たち夫婦の話です。
「もうダメだ!」と玄関を飛び出し1人で気分転換の散歩に繰り出すこともできますが、いちるの望みをかけて私は夫を散歩に誘いました。
ですが、散歩に出ることはできたものの、夫は散歩中も無言。
私は1人とぼとぼと夫の数歩後ろを歩いていました。
私はぼんやり見つめていました。
この距離感―――「これを埋めることはできないのかな……」そんなことを考えながら。
ふと、私は遠くの景色に目をやりました。
すると、この空の下、この空間に、私たち2人が今ともに歩いていること、そのことに思いが及びます。
時おり鳥の鳴き声が響き渡るだけの静かな道のりを、私たちはただ歩きました。
そのうちに私は、自分が散歩によってリフレッシュされていることに気づきます。
私と夫の距離感も縮まって、どことなく柔らかい雰囲気が2人の間に流れていることも感じられます。
夫は結局、散歩中ただの一度も口を開かず、私も気づけば一言も言葉を発してはいませんでした。
それでも、帰宅後の夫からはもう散歩に出かける前のような重たい雰囲気は発せられてはおらず、さらにはお互いにもう少し歩み寄れそうな柔和な空気感が充満していました。
何も話せなくても一緒に散歩してみると、なんかいいことが起きていたりします。
いつも会話の弾む楽し気な散歩でなくてもいいんです。
ギクシャクしててもいい。
無言でもいい。
それでも散歩に繰り出せば、何となくお互いの間にいいことが起きています。
無言でも私たち夫婦は散歩中に、ギクシャクを解消していました。
こんな雰囲気の中だったら、伝えたいことを伝えるハードルも下がります。
こんな雰囲気の中だったら、相手の声に耳を傾けることも難しくはないはずです。
さらには、ギクシャクさせる原因と思われた問題が問題でなくなることもあるかもしれません。
自分の気分次第で物事の見え方は大きく変わってしまうものだから、自分が気分転換するのが一番なのかもしれません。
その気分転換をしてくれる効果的な方法というのが散歩なのです。
私たち夫婦がこの後どうなったかというと―――夫から何でもない一言(なんて言ったかは忘れちゃいました…)が穏やかに私へと発せられ、私もまた同じように「お風呂入る?」そう夫に尋ねていました。
私は夫が口を開くのを待つでもなく待っていました。
夫が話したくないならそれを受け入れられる心の余裕が、散歩によって生まれていたからです。
「卵が先か、ニワトリが先か」というお話しと同じで、夫の機嫌が直ったのが先か、私の心が受容的になったのが先か、どっちともいえません。
散歩中の無言のコミュニケーションによって、お互いの状態がそのように整えられたといえます。
その後、私たち夫婦はいつも通り2人仲良く湯船に浸かり、夕暮れ時の穏やかなバスタイムを楽しんだのでした。
私たち夫婦の散歩ってこんな感じ
普段私たちがどのくらい歩いているかと申しますと、ホントたいしたことないです。
歩数でいうと5,000歩とか6,000歩ぐらい、それにも満たないことも少なくありません。
時間にしたら1時間も歩いていません。
頭のどこかには、「目指せ8,000歩!」という目標があるようなないような、なのですが、なかなかそこまで足を伸ばすことはなく、達成できるのは稀です。
でも、いいんです。
無理しないことが1番です。
だって、苦しかったら嫌になっちゃいます。
続かなくなっちゃいます。
やめちゃいます。
それでは、何にもなりません。
ちょっとでもいいから、続けることが大事ですよね。
ですから、自分と相手のその日の体調に配慮し、「この辺で折り返そうか」と声をかけ合い、その時々に応じて歩く量を調整します。
2人が心地いいこと、楽しいことが大事。
まとめ
いかがでしたか?
夫婦円満のヒントを得ることはできましたか?
夫婦で散歩に出かけてみたくなりましたか?
最後にこの記事のポイントをおさらいしましょう。
- 夫婦仲がギクシャクする原因は、意思の疎通が夫婦の間でとれていないのかも。そんな時は散歩して、夫婦でお互いが思っていることを伝える、そして聴く時間をもつといい
- 散歩は気分転換に最高の方法。リフレッシュすることができる
- 同じ体験と感動を分かち合うことで、うれしい空気感を生じさせてくれる
- 散歩は解放的な気分にしてくれ、会話が弾みやすい
- 言葉はなくとも心が通じる無言のコミュニケーションが生まれやすく、心はほぐされ、相手の話に耳を傾けること、相手が話し始めるのを待つことができやすい
さあ、夫婦で散歩に出かけましょう!
もし夫婦では無理だったら、1人で出かけてみましょう!
あなたが散歩に出かけリフレッシュすることができれば、それだけでも夫婦円満の効果は大いにあるはずです。
とにかく散歩はいいです!
外に出て、歩きましょう!
まずは自分がリフレッシュしましょう!
そう、「自分で自分の機嫌をとる」って、とてもとても重要で、いつでも心がけていたいことですよね。
『自分の時間の作り方ー巣ごもる主婦の決断疲れ対策とモーニングルーティンより』では、そのための自分時間の最適化についてお話ししています。
よかったら読んでみてくださいね。